2.差別のメカニズム〔4〕定義は本来、役に立つ
差別問題で定義が役に立たないことはジョージ・ミラーのマジカルナンバー7±2という論文から派生した、作業記憶の容量の仮説から説明しました。
この作業記憶は瞬時に覚えることの出来る記憶量の限界として実験されましたが、後に、この作業記憶が考えたり動いたりするときの重要な役目を担ってると分かってきました。
今のところ、前頭前皮質や頭頂皮質、前帯状皮質および大脳基底核の一部が作業記憶に関連すると考えられています。
定義の場合は、主に思考ですから、前頭前皮質が中心と考えて間違いないでしょう。
Miller(1956)の論文から派生した作業記憶の考えではヒトの脳の思考する瞬間の容量が、自分自身が感じるよりずっと少ないことを示してます。
実は、ゆったりした議論であるならば、本来この容量不足を超えるマジックワードが定義なのです。
議論に関わる全員が共通認識として、長い説明を定義付けし、一塊の言葉(≒チャンク)としてまとめると、データを圧縮することが可能です。
ゆったりしてるとき、7つ以上の情報を扱えるのは、この定義(≒チャンク)の工夫が機能してるからです。
ただし、定義合戦が起きてる段階では、当然、このデータ圧縮は機能しません。