差別の秘密。

近年日本でもヘイトスピーチなるものが話題になっています。関連してレッテルや決め付けが横行しています。これらの秘密を探るブログです。

1.差別とは?【2】なぜ定義が相手に通じないのか?

差別とは?

ネットの声でなく専門家の先行研究として東京人権啓発企業連絡会の差別の定義は『人権と人権侵害<シリーズ2> 「差別とは?」

このページにも差別の説明が書いてます。

一般向け啓蒙ページのはずですが、こページに書いてることさえ全部覚えて「差別」の定義とするのは難しく思えます。しかも、この長めの説明だけでは網羅されてない事例がたくさんありそうにも思えます。

 

もっとも、落ち着いてお茶飲みながらリラックスすれば、これくらいの説明は大抵の人が十分理解出来るでしょう。

賛成か反対かはともかく、おおよそこういうことが言いたいのだろうというとこまでは、理解可能です。

 おそらく、これくらいフラットな説明であれば「なるほど。なるほど。」と肯ける事ばかりでしょう。

細かい部分では、相当違いあっても、大筋で理解可能な範囲だと思われます。

 

でも、なかなか、定義が定まらず、差別の論争は無限ループを彷徨います?

なぜなんでしょう? 

 

ここで話し飛んで「マジカルナンバー7±2」 Miller(1956)という有名な論文から派生した話をします。

もともとは、瞬間的に覚える記憶の量についての論文です。ヒトは瞬間的に7つくらいの塊(チャンク)までは覚えられるという短期記憶の論文でしたが、その後、多くのことが分かりました。

瞬間的な作業記憶は、ヒトが考えたり動いたりするとき必要不可欠なデータを扱う領域で、パソコンで言うとキャッシュのようなものだということが分かってきました。

7±2と言うくらいなので容量は少ないです。

少しでも邪魔されるとヒトは思考でも運動でも普段通りのパフォーマンスを発揮できません。

少しでも痛みがあったり、スキャンダルや家族のことで悩んでいると、たった一つ悩みなのに、作業記憶を阻害してしまうことになり、一流アスリートや百戦錬磨の政治家も、ボーっとしたり、ヨレヨレになってしまいます。

 

このことを、加味して考えるとこうなります。

 

対立してる者同士の言い合いでは、言い合うことですでに作業記憶が阻害されてるので、一生懸命考えた長い定義であればあるほど、最初から通じ難いのです。

 

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