3.悪口は攻撃に発展する[4]偶発的な攻撃行動。
攻撃行動というのは、号令がなくても存在します。
最初に思い浮かぶのは、弱肉強食の世界ですが、肉食目(ライオンとか虎)が獲物を狙うのは、摂食行動で身体の中では人が食事を取るときと同じ反応です。ですから攻撃行動とはいえません。
生物で攻撃行動というとまずは、逆の狙われる側に通じる「闘争か逃走」(fight-or-flight response)です。
生物は基本、良いことを増やし悪いことは減らそうとするので、通常危険は避けて逃げます。しかし、追い詰められたときや追い払えると判断したときは、攻撃行動を選び闘争が始まります。
生き延びるあるいはより有利に生き延びようとするわけで、もっともな行動です。
ただ、この攻撃行動は差別と関連が無さそうです。
差別と少しは関連ありそうなのが、同種間の生存競争つまり性淘汰と集団競争です。
性淘汰(個体間の生存競争)と社会動物としての群れ同士の生き残りを賭けた縄張り争い(集団間の生存競争)は、それぞれ、生き延びる競争なので純粋な勝ち負けが主役ですが、ヒトは言語を操り心因性入力として風聞風潮も競争に導入することができます。
ここに、差別の要素が入り込む余地がありますが、全体に反映させるよりは例外としてあるいは影響のある要素として別途考察したほうが効率は良さそうです。
差別とある程度関連性があると推測できるのが、群集心理での攻撃行動です。
これはル・ボンがフランス革命に置いて、普通の人々が残酷な処刑を喜ぶ様子をヒントに産業革命以降の群集化した人々の心理を研究したのが始まりです。
ル・ボンは4つの特徴をあげてます。
1.道徳性の低下
2.暗示にかかりやすくなる
3.思考が単純になる
4.感情的な動揺が激しくなる
有名な事例は、フランス革命、魔女狩りなど枚挙に遑がありません。
今現在(2015/05/06)も、アメリカではボルティモアで人種暴動(2015/04/27)が起きて、その続報が流れてきます。
ここ日本でも、関東大震災のとき、噂によって朝鮮人が殺されたことがありました。
これには、予断と偏見や人種差別が関連してそうです。