差別の秘密。

近年日本でもヘイトスピーチなるものが話題になっています。関連してレッテルや決め付けが横行しています。これらの秘密を探るブログです。

3.悪口は攻撃に発展する[2]悪口の研究

悪口の研究は以外なとこですが軍隊でも行われてます。

世界中の軍隊は、実はベトナム戦争以前は、互いに向き合って銃を構えてても発砲率が15~20%と低かったのです。(マーシャルの研究)

98~99%の兵士にとって、殺人は非常に抵抗が強く難しいというデータもあります。(スォンクらの研究)

考えてみると恐ろしい研究ですが、この発砲率や殺人抵抗を改善することに有効なのが悪口と言うことがわかりました。(グロスマンの研究)

悪口には2つの効果があります。

1つは、自分に向けての悪口で、自分自身をどうしようもない、何の価値もない、酷い人間だと貶めることで、心のブレーキを解除させ悪いことをしやすくします。

考えてみれば当たり前で、立派な人(軍隊あるいは国)だ。正義(あるいは神)の軍隊(人あるいは国)だ。との設定で誇りをもつほうが、悪いことをすることに矛盾を感じてブレーキになります。

だからこそ、世界標準では戦争の反省がどうこう歴史認識云々といった自虐的な考えの押し付けがないのかも知れません。

もう1つは、相手に向けた悪口です。これによって距離感を広げると、その分だけ、殺人抵抗が弱まります。

同じ人間同士と感じれば、ほとんどの人が銃口向き合ってさえ相手を殺すことができません。

ところが、相手を、同じ人間ではない、極悪非道な虫けらだ。と非人間扱いすればするほど、距離感が開いて、同種殺しの感覚が薄れ殺人が可能になります。

そんなことで人が殺せてしまうのか?と疑問にもつ人もいると思いますが、この研究は軍隊の研究ですから、徹底された実績的研究だとお考えください。

ベトナム戦争では発砲率が90~95%にまであがり、殺人抵抗の下がった帰還兵の苦悩が社会問題となりました。

悪口(ヘイトスピーチ)の恐ろしさは、むしろ、ここにあると考えてください。

 

現在ネット上では、反差別を自称する側が酷い悪口を撒き散らしています。私たちの悪口は良いのだ。と長い定義を振りかざしていますが、良いわけありません。

どっちの悪口も駄目なものは駄目です。

悪口なんて、社会として許容出来るのは、子供の喧嘩や大人の愚痴くらいまでで、それでさえ限度はあるものです。

相手を非人間扱いし殺人抵抗値を下げるような悪口は、社会に憎悪を蔓延させ崩壊を招くに違いありません。

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