2.差別のメカニズム〔2〕偏見は何故起きるのか?
ぼくらはなぜ「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」との偏見を、生み出すのでしょう?
じつは、これ、生物の基本メカニズム。生きることそのものの基本システムなのです。
生物は、単細胞生物であっても、良いことの頻度を上げ、悪いことの頻度を下げようとします。
実に当たり前のことで、餌を多く得たり、危険を避けたほうが生き延びる確率が上がります。
経験したことを学習し、記憶を活用して生き延びようとしてるわけです。
これがより高度な知能を持ち、記憶学習の容量が増えた生物は、より多くの得なこと損なことに対応できるようになります。
たとえば、経験したことと似たことを見つけると、近寄ったり避けたりすることが出来ます。
つまり、予測が出来るようになります。
この予測のうち、悪いことに似た状況を避けようとする性質が、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」(いわゆる偏見)の原型だと考えられます。
※参照URL 脳や神経を持たない粘菌の情報処理能力を探る