差別の秘密。

近年日本でもヘイトスピーチなるものが話題になっています。関連してレッテルや決め付けが横行しています。これらの秘密を探るブログです。

2.差別のメカニズム〔1〕差別の最大公約数

差別の最大公約数だとイメージできるのは、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」系の「早過ぎる一般化」つまり「偏見」です。

 

差別の要素を分解しようと考えて、ぼくがまず思いつくのは、一人のあるいは一部の人の失態や事件などを、その人の所属する集団全体に掛けて、お前ら全員が悪いという態度で悪口を述べることが思い付きます。

倫理学などでは、早まった一般化とか類推の危険と表現します。

詳しくはWikipediaを参照してください。

 

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※早まった一般化の代わりに科学的かどうかと考えたりする場合の、反証可能性が高いか低いかという科学哲学の言葉を使う場合もあります。

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1.差別とは?【4】差別の定義は範囲の絞込み

差別の定義や概念をいくら一生懸命考えて網羅して詰め込もうとしても、膨らめば膨らむほど、理解が難しくなりヒトの脳の機能として、万人に浸透させることは難しいくなります。

であるなら、逆転の発想です。

まず、定義が巨大化しないように範囲を絞ります。

その後、事例を付け加えて膨らませるのではなく、分解整理してメカニズムを考えるのが、当ブログでの定義となります。

グレーゾーンや例外は、どんなことにもありますから、全体像を把握する際は、一旦除外します。

除外する狙いは、矮小化ではありません。

コンパクトに絞ってわかりやすく整理するのが目的です。それは、落ち着いて話すとき、多くの人が共有し易い情報量に納めることを想定してるからです。

中にはとても優秀で私ならすべて理解できるという人もいらっしゃるかもしれませんが、天才が理解するだけでは無意味。多くの人に理解して頂きたい。という目的意識での一時除外です。

 

まず、範囲の限定ですが「ヘイトスピーチ」と呼ばれるくらいですから、「悪口(≒憎悪表現)」と関連があります。

勿論、犯罪にまで発展したものや、表面上悪口の出ない差別もあります。ただ、これらは、後で別途、どう発展するのか?どう隠されているのか?を補足するだけで説明可能です。

よって、グレーゾーンや例外の一種とみなし一時除外します。

なお、悪口にまったく関係ない差別・差別化というのものは実際あります。

単なる区別や順位付けのような差別化です。

これに、悪口を含ませたり隠したりすることは可能ですが、上記の補足説明で十分説明可能です。

なので上記に含みます。

残った、悪口のない純粋な区別や序列は、無関係と見て除外しても問題ないと思われます。

 

次に、差別と悪口の関係性を検証します。

 

悪口には、互いの利益の対立からくる苛立ちの表現や、嫉妬する心情や、敗者の弁など、差別と無関係な領域も多いです。

差別にも、悪口を超えた範囲はありますが、上記のように犯罪化したものや、悪口が巧妙に隠されたものなどについては、補足説明が可能なので、情報量軽量化のために一時除外しています。

逆に、悪口であるけど差別でない利益対立や嫉妬心の方は、典型的悪口のひとつであり、除外するのが難しいです。

 

であれば、「悪口≧差別」という式が成り立ちます。

 

次に差別のメカニズムですが、東京人権啓発企業連絡会の差別の定義によると、

 「予断」「偏見」だとされています。

これは別の言葉で表現すると、「早まった一般化」や「反証可能性の低い批判」です。

もっとやわらかい言葉で言うなら「風聞風説」や「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」と同じ意味です。

 

コンパクトにするのが目的ですから、これらを2つの項目にまとめるとこうなります。

(1)差別は悪口の中のひとつの形態「悪口≧差別」

(2)差別の中身(発生メカニズム)は「予断や偏見」あるいは「早まった一般化・反証可能性の低い批判」

イメージとしては、差別の最小公倍数が「悪口」で、差別の最大公約数が「坊主憎けりゃ系早過ぎる一般化」です。

 

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これまでの概念を詳細に積み上げて造り上げる定義論争と違い、限定や整理分解するということは、差別とはどういう仕組みで起きてるのかということの探求です。

つまり発生機序(メカニズム)の解明です。

 

これまでの定義を積み重ねることは、一般の感覚と乖離していくことと、イコールです。

実は、差別の解明や解決とは、遠くかけ離れてしまったという可能性もあります。 

 原点に戻って解明や解決という視点を大事にしていきます。

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1.差別とは?【3】定義は通じないだけでなく役に立たない。

差別に限りませんが、あやふやな定義(つまり定義合戦がある定義)は、相手に通じることはありません。

通じ合えて、これさえ共通認識になれば、すべて解決すると思える場合もあるでしょうが、じつは、ヒトの脳の仕組み上無理なのです。

 

ひとつの疑問として、非常にゆっくり落ち着いた状態で、優雅にお茶しながら読書でもするように、伝え合うことが出来たらどうでしょう?

これは、伝わる可能性高いです。

近年有力な仮説「心の理論(ToM)」で考えると、伝わります。

人間は一人称だけでなく二人称三人称から第四人称などまで複雑な物語を理解できます。

これは、失敗を繰り返し訓練し習得したのではなく、機能として生まれたときから備わってる。と考えられています。

全く違う考えの人の意見も、じっくり聞くなら、こういうことが言いたいのだと感じ取る機能を、最初から有してると言うことです。

なお、賛成できるかできないかと、理解できるか?は別です。

なので、冷静になれないくらい拘りある人は別ですが、落ち着いた同士なら、ある程度の理解は可能です。

 

ところが、差別のような不条理が起こる場面の大半が、落ちついた状態ではありません。

むしろ、論戦以上に、怒ったり興奮してる場合が珍しくないでしょう。

 

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このことから、実は、差別の定義を詳細にわたって構築していくことは、実際の現場では何の役にも立たないのです。

無論、研究としては役にたつかも知れませんが、実態がこういう仕様なので、あまり概念が広がり過ぎた差別定義は、有効度が低いと考えられます。

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1.差別とは?【2】なぜ定義が相手に通じないのか?

差別とは?

ネットの声でなく専門家の先行研究として東京人権啓発企業連絡会の差別の定義は『人権と人権侵害<シリーズ2> 「差別とは?」

このページにも差別の説明が書いてます。

一般向け啓蒙ページのはずですが、こページに書いてることさえ全部覚えて「差別」の定義とするのは難しく思えます。しかも、この長めの説明だけでは網羅されてない事例がたくさんありそうにも思えます。

 

もっとも、落ち着いてお茶飲みながらリラックスすれば、これくらいの説明は大抵の人が十分理解出来るでしょう。

賛成か反対かはともかく、おおよそこういうことが言いたいのだろうというとこまでは、理解可能です。

 おそらく、これくらいフラットな説明であれば「なるほど。なるほど。」と肯ける事ばかりでしょう。

細かい部分では、相当違いあっても、大筋で理解可能な範囲だと思われます。

 

でも、なかなか、定義が定まらず、差別の論争は無限ループを彷徨います?

なぜなんでしょう? 

 

ここで話し飛んで「マジカルナンバー7±2」 Miller(1956)という有名な論文から派生した話をします。

もともとは、瞬間的に覚える記憶の量についての論文です。ヒトは瞬間的に7つくらいの塊(チャンク)までは覚えられるという短期記憶の論文でしたが、その後、多くのことが分かりました。

瞬間的な作業記憶は、ヒトが考えたり動いたりするとき必要不可欠なデータを扱う領域で、パソコンで言うとキャッシュのようなものだということが分かってきました。

7±2と言うくらいなので容量は少ないです。

少しでも邪魔されるとヒトは思考でも運動でも普段通りのパフォーマンスを発揮できません。

少しでも痛みがあったり、スキャンダルや家族のことで悩んでいると、たった一つ悩みなのに、作業記憶を阻害してしまうことになり、一流アスリートや百戦錬磨の政治家も、ボーっとしたり、ヨレヨレになってしまいます。

 

このことを、加味して考えるとこうなります。

 

対立してる者同士の言い合いでは、言い合うことですでに作業記憶が阻害されてるので、一生懸命考えた長い定義であればあるほど、最初から通じ難いのです。

 

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1.差別とは?【1】差別と定義問題

差別は謎です。

差別って何でしょうね?

すごく悪いことだというのは誰でも知ってるけど、何がどう悪いのか?きちんと説明できる人はなかなかいません。

差別とは何か?を考えるには、定義や線引きを先に考える必要がありそうです。

 

ネット上の発言では、「定義や線引きは明らかだ。」と明言する人は多いです。

ですが、詳しく聞こうとすると、勉強をしなさい。とか、本を読みなさい。といって説明から逃げてしまいます。

酷い人になると、まず勉強しないと議論が出来ないと質問することを馬鹿にする人もいます。

しかし、一般的には、その場で相手に説明できないということは「感情感覚を言語化して相手に説明できない。(いわゆる感情論)」もしくは「根拠を明らかに出来ない主張。(水掛け論の基)」ということになり、議論では負けになります。

 

なかには、頑張って言語化しようとして、複雑な概念を構築し、それを周囲に教育しようとする人もいます。

ところが、定義が、長く複雑になればなるほど、説明する側も受ける側も辛いだけで、結局さっぱりわからなくなります。

 

かくして、定義する側もその説明を受ける側も、共に、明確には言い切れない定義合戦の無限ループに陥ってます。

 

 

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はじめに。概要と自己紹介とリンク。

『当ブログの概要を最初に説明します』

近年、日本では行動保守の方々の運動で嫌韓が定着してきました。

それに伴い、在日韓国朝鮮の方々を対象にした差別がヘイトスピーチという名前で話題になっています。

しかし、そこには、認識の違いからレッテル張りや決め付けの問題があり、単純な善悪では、なかなか説明できない問題があります。

そこで、当ブログは、そもそも差別とは何なのか?その機序(メカニズム)を探ることによって、この問題を紐解こうという試みをします。

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異論反論歓迎ですが、必ずしも返答するとは限りません。

また、誹謗中傷や無限ループ、無関係な宣伝、悪戯などは削除します。 

なお、当ブログは、科学的に明らかな知見を基に、差別に関する「推測」を書いたものです。

現在、一般に流れてる差別はこういうものだという概念(これも推測)と、違うところが多いですが、どちらかが絶対正しい。という決定的証拠はありません。

どちらがより妥当であるか?あるいは新たな視点でも構いませんが、推論し合うことは大歓迎です。 

事実誤認など間違いの指摘も歓迎します。

 

※当ブログの引用は自由ですが出展として当ブログを明示してください。

※当ブログの著作権は広瀬直樹に、引用部分は引用先にあります。

 

概要はここまでです。

記事に進みたい方はカテゴリー1の「差別とは?」の「1差別と定義問題」から順に読み始めてください。

ここから下は、簡単な自己紹介や連絡先アドレスが書いてあります。

 

 

『簡単な自己紹介』

 

広瀬直樹と言います。

ネットでは長らく好きなバンドBEATLESのツウな呼び方FAB4を文字って「ファブヨン」と名乗っていました。

中年男性です。

何かの専門家ではなく、底辺で働く一労働者です。

専門用語を使うことがありますが、あくまで一般人、知識は主に本を読んだことで得たものです。

 

連絡はTwitterかfab4@proof.ocn.ne.jp(@は半角に直してください)にてお願いします。

 

『リンク』

『同化』~集団内利他的リソース提供による利己的還元~という「仮説」未満の「意見」の構築過程での個人的メモ

 

もうひとつのサイトで、人の集団に関して「同化」という観点から考察してるメモです。

 

ファブログgoo

ファブログhatena

 

昔のブログの残骸です。まったく更新していません。

 

 

 

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